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 ●花が咲く 『時季』 を植物はどうして知っているの?  [その1]

 つい一週間ほど前、東京の街はキンモクセイの甘い香りに包まれていました。

庭木としていつも脇役で目立たないキンモクセイが、
一年のうちのこの一週間、一気に街の主役の座に踊り出て、
歩く人を立ち止まらせているのを見かけると、なんだか
「してやったり!」
という気持ちになるのは私だけでしょうか。

キンモクセイは、「秋」という季節を明確に示してくれる、
カレンダーのような役目を果たしていますね。

ところで、
秋のキンモクセイも、春のサクラも、そのほかいろいろな植物が、
種類ごとにどうして一斉に花を咲かせるのか、私にはとても不思議でなりませんでした。

サクラのように、開花前の気温に開花時季が若干左右される植物もありますが、
気温だけを目安に、すべての植物が開花を測っているのなら、
春と秋には同じ花が咲いてよさそうなものですよね。
でも実際にはチューリップや水仙は春に咲きますし、菊やコスモスは秋に咲きます。
これはどうしてなのでしょう?

じつは多くの植物は、気温よりも夜の長さを感知して、開花時季を測っているのだそうです。
夜の長さが一定時間以上になると花芽をつける植物があり、これを短日植物と呼びます。
短日植物には、秋咲きの植物を中心に、菊やコスモス、アサガオが分類されます。
(キンモクセイについては後ほど調べてみます)

確かに、夏至を過ぎると夜の長さは毎日少しずつ長くなりますよね。
短日植物は、毎日ちょっとずつ長くなる夜の長さをバロメーターにしているのです。

逆に、夜の長さが一定時間以下になると花芽をつけるものもあり、長日植物と呼びます。
アブラナ、ほうれん草、小麦、パンジーなどが分類されます。

植物はその夜の長さの変化を利用して、季節を測る機能をもっているわけです。


[10月4日更新]



2002年9月27日 東京都・大田区にて撮影
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