●用語解説(海・自然関係) |
あ・・・・・・ |
エゾイバラガニ |
甲の直径が12センチぐらいで足の長い真っ赤なカニ。カニといいつつ、じつはヤドカリのなかまで横歩きではなく縦に歩く。また岩に登るのが好きなのかどうなのか知らないが、平坦な泥の海底ではなく、ところどころ底から突き出した岩の上に多くの個体がたむろしていた。相模湾の海底では、シロウリガイも食べているらしい。地元の漁師さんの間では「ミルクガニ」という名で珍味とされているそうだ。今回の潜航でも、一匹捕獲したが「10中8,9、あたりますよ」という関係者の話があったので、試食はやめておいた。 |
か・・・・・・ |
|
|
さ・・・・・・ |
相模トラフ (sagami trough) |
トラフ(trough)とは、地質学用語で、海底にできる小さなくぼ地のこと。相模トラフはフィリピン海プレートが相模湾のところで日本列島の下に沈み込んでいるため、海底が地下に引きずられる形でくぼ地になっている。そのため海底の水深が1,200m前後と深い。伊豆半島を挟んで西側の駿河湾もほぼ同様の地形。 |
シロウリガイ
|
長さ10センチぐらいの細長い瓜型をした白い二枚貝。 相模湾の深海名物。といっても普通は食べない。
貝柱は美味しい、という生物学者のノリに誘われて食べてみたが、一度冷凍したものであったこともあり、強烈な血の味がした。一般には、貝全体から強い硫黄臭がするので進んで食べる人はいないと思う。
硫黄臭の発生源はエラのなかに棲み付いている硫黄酸化細菌。この細菌が、活断層から上がってくるメタンガスを栄養にして有機物を作り出し、シロウリガイに提供する、という共生関係ができている。だから、太陽光が全くなくても生きていくことのできる生物の例として研究が進んでいる。活断層のメタン湧出域で、体を半分泥に突き刺してじっとしているので(これが食事の姿だなんて・・・^^;)、「シロウリガイ在るところに活断層あり」ということで、地質学者からは”活断層マーカー”としても重宝がられている。 |
深海 (deep sea) |
明確に何メートル以深を深海と呼ぶ、というような定義はない。研究分野によって対象とする海の深さが違うので、それに応じて深海のイメージが異なるといっていい。例えば、明るさに注目すると、水深100mに届く光は海面の1%程度、1000mでは100兆分の1といわれる。おおむね200mよりも深いと植物が光合成を行えないので、200mより深いところを「深海」と呼ぶ人もいる。どちらにせよ、海洋の88%は水深1000mよりも深いので、海の大半は深海であるといえる。 |
深海の名所 (sight) |
深海には世界中の研究者が何度も訪れるような地質学的、生物学的に面白い場所が点在し、”サイト”と呼ばれている。活発な地質活動をしているプレート境界がほとんどだ。典型的な名所の風景は、海底火山や海溝の割れ目などの奇景と、そこに群がる変な深海生物というのが多い。日本列島はいくつものプレート境界に位置することから、周辺には日本海溝、相模湾、駿河湾、南海トラフ、南西諸島海溝、マリアナ海溝(世界最深)といった名だたる深海の名所が多数存在する。大西洋では大西洋中央海嶺が有名。 |
生物群集 (biotic community) |
生物の集まり。コロニーともいう。恒常的な生物群集がある場合、そこに食物連鎖ができていることが多い。相模湾では活断層に沿ってシロウリガイのコロニーが存在する。またシロウリガイを捕食するエゾイバラガニもたくさん見られる。 |
た・・・・・・ |
|
|
な・・・・・・ |
|
|
は・・・・・・ |
|
|
ま・・・・・・ |
マリンスノー |
生物の死骸や糞などが沈降し、ライトで照らすとまるで雪のように見えることから日本人が名付けた。深海に住む生物の栄養源になっている。 |
や・・・・・・ |
|
|
ら・・・・・・ |
|
|
わ・・・・・・ |
|
|
アルファベット |
|
|